久しぶりに親友宅に遊びに行ったら、要塞化していてドン引きした話

高校からの、二十年来の付き合いになる親友がいるんですけども。

彼は去年、いや一昨年だったかな、人生のすべての厄災が集中して降り掛かったのではないかと思えるほど、ついていなかったんですよ。

足を骨折に始まり、信号待ちで追突被害、転職先がブラック、車上荒らし被害、事故の後遺症で体に不調、事故の加害者と揉める、その保険屋とも揉める、勤務先とも揉める。

他にも何かあったような気がする。あ、ディーラーとも揉めてたな。長年の付き合いなのに、もう直らないとの嘘で乗り替えを促されて。

要は、すべて覚えきれていないほどトラブルを抱えてたってことです。そしてその極めつけが、空き巣未遂被害。

リビングのソファで寝落ちして爆睡中に、空き巣犯はリビングの窓ガラスを割って侵入。寝ている友人を見て逃げたので、居直り強盗にならなくて不幸中の幸いだったんですけども。

朝起きて割れた窓ガラスに気がついた友人は激怒。ガラス代は戻ってこなくてもいいからぼこぼこに殴らせろと。

車上荒らしのこともあり、我が家が目を付けられ狙われていると感じた友人は、それまでほぼゼロだった防犯意識を見直し、自宅に対策を施し始めます。

家の周りに踏むと音がする砂利を撒き、窓ガラスに防犯フィルムを貼って、窓ガラスに振動センサーを取り付けて、玄関と駐車場にセンサーライトを設置して。そこまでは、電話や食事中に聞いたり、家で実際に見たりして知ってたんですけど。

先日、お土産を渡すついでに数ヶ月ぶりにお邪魔したら、さすがにそりゃやり過ぎだろうと感じるほど、防犯対策がエスカレートしていました。

まず、玄関に足を踏み入れてすぐ、見慣れない機械がふたつ目に入ったので、これは何? と。うろつきセンサーと録画用カメラだよ、と親友。なるほど、まあ色々あったからな。

しかし、外にも録画カメラ設置して、家の中も廊下と階段に死角がないようにカメラつけてるよと続けたので、さすがにたまげましたね。うろつきセンサーも玄関だけじゃなくて、家の外周一周反応するように。

うろつきセンサーが反応すると、カメラが自動で録画スタート。映像はWi-FiでHDDに飛ぶ模様。さらには、画像が添付されたメールがケータイに飛んでくるという。

自慢げに語る親友。目が点ですよ。ルパン逮捕に燃える銭形かお前は。

また今度やってきたら、取っ捕まえてぼこぼこにする。その執念の凄まじさ。

もっとも、そんな気合いとは裏腹に、成果はあまり芳しくないようです。

今のところ、ケータイに飛んできた画像のほとんどは野良猫で、その他は母親か隠れんぼ中と思われる近所の小学生だそうで。

仕返しへの道はなかなかに厳しい。