空き巣に、苦労して買い集めた音楽CDを売っ払われて、イチブ自分で買い戻した話

先日の記事で、自分で買い集めた音楽CDには自分史というかストーリーが積み重なって思い出が残る、といったことを書いたんですけど、そのエピソードの一例として空き巣に入られたことを挙げたら、その当時のことを色々と思い出したのでここに記しておくことにします。
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あれは、京都の山奥の民宿に住み込みで働いていたときのことです。二十年近く前ですね。

ある夜、仕事を終えて宿舎に帰り着くと、玄関のガラスが乱暴に割られていました。その宿舎は平屋の二部屋で、そのときは私ひとりしか住んでいませんでした。

一瞬真っ白になりますよね、頭が。え、なにこれ。え? 

連絡や通報も忘れてしばし呆然としていると、社長がクルマで駆けつけてくれました。警察には通報したから、来るまでこのまま外で待っていよう、と。連絡もしてないのになんでと不思議でしたが、ご近所さんが玄関が割られているのを見つけて、社長に連絡してくれていたようです。

警察が到着すると、被害箇所を確認しながら宿舎に入りました。部屋を出る前と帰ってきたときで差異があるところを指差して、それを写真に撮るんですけど、これがなかなかの屈辱感でしたね。なんで自分がこんな目にと、怒りで震えていたのを覚えています。

犯人は律儀に靴を脱いで上がったようで、靴の泥汚れなどはありませんでした。あと、たんすや引き出しをひっくり返されたりもなかったですね。通帳や印鑑は金庫の中に入れてあったので無事でした。財布とは別に部屋においていた現金数万円がなくなってましたね。

壁沿いにズラッとCDを積んでたんですけど、乱雑に家探しされていなかったおかげですぐに気づけました。あれ、CDの山が低くなってるぞ、と。犯人は数万円だけでは飽き足らず、CDも数十枚持ち去ってました。

そのことを刑事さんに告げると、持ち去られたCDのタイトルは分かるかと聞かれました。分かる範囲でリストにして書き出してくれと。

他人の傍目では、ただ適当に積み上げているだけにしか見えないCDの山ですが、自分は、日々そこから気分で聴きたいアルバムを選んでいたので、だいたいどこに何が置いてあるかは把握してました。

レア盤ごっそりやられてたんで、もうまじで悪い夢であってくれって気分でしたね。Alfaのあれとか、BAREKNUCKLEのあれとか、ZEROのあれとか、初回限定盤とか。マジ勘弁してくれよ、と。泣きたくなるような脱力感を覚えました。

思い出せる限り書き出してリストを作り、刑事さんに渡しました。

その日は、女将さんのご厚意で民宿の空き部屋で寝させてもらったんですけど、まあ寝れなかったですよね。いろいろな感情が渦巻いてました。怒りだったり戸惑いだったり、動揺だったり悲しさだったり。

犯人はしばらく、捜査の網にかからなかったですね。刑事さんと、宿舎の電気を消して張り込んだ夜もありました。まあ、そういうときに限って来ないですよね。

刑事さんと張り込んだこともある、ってところから、もしかして何度かやられたのかと想像した人もいるかもしれないですけど、ズバリその通りです。

二度目は、玄関をバールのようなものでこじ開けられてました。社長がガラスがないドアに交換してくれて、安心してたらこれですよ。で、またCD数十枚やられました。今度は現金は置いてなかったのでセーフ。お金はまだ金庫に入れておけるけど、CDはどうしようもないですからね。

三度目は未遂です。新たにこじ開け対策を施したおかげか、玄関からは諦めたみたいです。お風呂場から 侵入を試みた形跡がありましたが、格子が外せずに断念したようでした。

三度目の前に、犯人の名前は判明してました。元従業員。働いている間はそれなりに仲良くやっていたつもりだったんですけども。

なんでわかったかというと、何度も足を運んでいた中古CD屋に、私のCDコレクションがごっそり売っ払われていたからです。

お店で棚を眺めていたらですね、やたら目につくんですよ。どこかで見たようなアルバム・タイトルが。しかも、そんじょそこらではお目にかかれないようなものばかり。ここに買い取り頼みやがったな、とピンときて、刑事さんに通報しました。

で、私が書いた被害リストと、お店の買い取りリストを照合した結果、元従業員の名前が浮上したというわけです。

刑事さんに、この名前に見覚えはあるかと尋ねられたときは、悲しかったですね。信じられなかったです。ほんの数か月前まで一緒に働いていた元仲間だったんですよ。なんでこんなことできるかな、と。何度も来るあたり、完全に味をしめてる感がまたムカつきますよね。

刑事さんからの言葉もやるせなかったですね。お店に並んでるCDは戻ってこない。悪いけど、どうしても欲しかったら、また自分で買い戻してくれ。

なんでだよふざけんなよと理不尽さに怒りながらも、大好きなアルバムや、ここでスルーしたらこの先まずお目にかかれないであろうアルバムを優先して、一部買い戻しました。

Bon Joviのアルバムも被害にあったんですけど、あえて買い戻さずに、ライブ・バージョンや未発表曲が収録されたボーナス・ディスク付きの再発盤を、新品で買い直しました。

これがもし今現在だったら、ノートPCとHDDが持ち去られてたかと思うと、ゾッとしますよ。カメラも危ないですよねぇ。ノートPCとHDDなんて、どれが自分のか、よっぽど特徴のある傷でもついてない限りわからないですからね。

奇跡的にリサイクル・ショップで見つけて取り戻せたとしても、初期化されてるんでまたイチから自分仕様にしていかなきゃならないとか、めんどくさすぎて泣けてきますよ。

犯人は、三度目の空き巣未遂からしばらくして捕まりました。刑事さんが報告に来てくれました。そのときに、相手に支払い能力がないので、損害賠償請求しても無駄になる、そんなことを言われた覚えがあります。

ネットで調べてみましたが、答えは同じでしたね。参考までに。弁護士ドットコム(→空き巣の損害賠償について - 弁護士ドットコム)の相談ページより。

古林 能敬  弁護士
 
弁護士が同意1
刑事の窃盗は、民事では不法行為(民法709条)に該当します。その効果は、加害者に損害賠償責任が発生すること。
したがって、当然に、損害賠償請求ができます。

しかし、損害賠償請求ができるかということと、その支払いを受けられるかは話が別です。
そもそも、空き巣(窃盗)をする犯人は、お金がないからというのが通常。
だとすると、損害賠償請求をしても、ない袖は振れず、賠償金が用意できない可能性が高いと思います。

賠償金が支払ってもらえないのであれば、代わりに、刑事処分をできるだけ重くしてもらうという被害感情を警察と検察官に伝えることになろうかと思います。

2015年06月21日 23時58分

まあ泣き寝入りですよね。

自分としても彼とはもう二度と関わり合いになりたくなかったので、納得はできないですけど納得するしかないですよね。

それにしても、辞めてからほんの数ヶ月の間に、一体何があれば空き巣犯にまで身を落とすのか。

謎ですね。わかりたくもないですが。

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