世界一かっこいいロック・バンドは、アルバム・ツアー全公演同一セット・リストなんて組まない
私が大好きな、とあるロック・バンドの話です。ライブも、五回ほど観に行きました。
そのライブ中に、ヴォーカリストが叫びます。
「どうも。世界で一番かっこいいロック・バンド、〇〇です」
いや、別にその事自体に、大言を吐くなとか、身の程を知れとか、文句をつけたいわけではないんですよ。むしろその逆で、その心意気たるや良しですよ。
仮に、私の好きなロック・バンドのランキングを作るとしたら、上位十指には入ってくるバンドですからね。それくらいの気概でもって活動してくれないと、応援のしがいもないってものです。
問題は、その大言に、実態がついてきていない、ということです。
楽曲はホントにかっこいいですし、ライブ・パフォーマンスも再現性が高くて圧巻ですし、一体それ以上なにを望むんだって贅沢な話なんですけど、演ってる曲がいつも一緒なんですよねぇ。
とあるアルバムの発表に伴うライブ・ツアーで、彼らは三十公演以上こなしたんですけど、観終わったあとに私がネット上でセット・リスト情報を調べた限り、全公演、まったく一緒だったんですよね。曲目と曲順が。
普通、少しくらい入れ替えません?
せめて三曲くらいは、日替わりで演って欲しいですよねぇ。
熱心に複数回観に行く人が、可哀想でなりません。
それに、数ある公演の中で一回しか行かなくても、あそこの初日にはあの曲を演ったらしいけど二日目にはこの曲を演ったらしいよとか、今回の日替わり曲はなんだろうとか、そういったワクワクやドキドキも、ライブの醍醐味のひとつでしょう。
全公演同一セット・リストなんて組んでしまったら、その日その場限りの生演奏の特別な魅力が、半減してしまいますよ。
曲目と曲順がまったく一緒だったら、その日その場限りの違いなんてせいぜい、ミスが多かったか少なかったか、声は出ていたかどうか、各会場の音響や演出効果、これくらいでしょう。
そんなの、ただの調子の波や差異で、その日その場限りの特別なことではないですからね、断じて。
自分で世界一かっこいいロック・バンドだと叫ぶのであれば、こんなセット・リストを組んでいてはだめでしょう。
世界一かっこいいロック・バンドは、絶対こんなセット・リストは組まないですよ。
前々回と前回のセット・リストがまったく一緒だったから今回も同じだったりして、とライブ前に冗談半分で予想してたら、ほんとにまったく一緒だったとか、かっこ悪すぎるでしょう、どう考えても。
いや、他人が書いた曲ばっかり歌っているとか、自分たちで演奏していないとかだったら、まだわかりますよ。大人の事情と思惑が入り乱れ、曲目と曲順の固定もやむを得ないでしょう。
しかし、彼らはロック・バンドですからね。それも日本を代表するレベルの。自分たちで曲を書いて自分たちで演奏しているのに、毎回毎回同じセット・リストを組む理由がわかりません。
もったいない。実にもったいないですね。曲は素晴らしいしライブもめちゃくちゃ上手いのに。あとほんのちょっと工夫するだけなのに。
今度の新作に伴うツアーでは、せめて数曲でいいので、日替わり曲を用意して欲しいところです。
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