デンマーク出身のロック・バンド、H.E.R.O.のデビュー・アルバム『Humanic』が素晴らしい
デンマーク出身のロック・バンド、H.E.R.O.(→H.E.R.O. | ソニー・ミュージックオフィシャルサイト)のデビューは2014年でした。
まずシングルを二曲リリースし、その二年後の2016年にはセルフ・タイトルのEPをリリース。ゆっくりではあるものの、地道で着実な活動。
その一方で、アルバムはまだかなぁ、とヤキモキしていたファンも多かったのではないでしょうか。
そこから先の動きがなかなかありませんでしたが、2018年の11月に東京で開催されたHOKUO LOUD NIGHTに招かれると、事態は一気に進展することに。
翌2019年の1月に、Slashの日本公演のオープニング・アクトとして再来日を果たすと、4月に念願のデビュー・アルバムの発表が告知され、そのデビュー・アルバムが発売されると、今度はその翌月の5月に日本縦断五大都市プロモーション来日の発表と、それまでの停滞が、まるで溜まっていたバネの反動かのような、一気呵成ぶり。
デビューから苦節五年。なかなか軌道に乗らない活動にもめげずに、腐らずに耐えた彼らへのご褒美のようですね。
ラジオ各局でもパワー・プッシュされ、乗りに乗っている時期に、ついに彼らのデビュー・アルバム『Humanic』が発売されました。
日本盤には、ボーナス・トラックが五曲も収録されているんですけど、うち二曲はライブ・バージョンで、残りの三曲はEPからの収録が見送られた曲です。EPを買い足さずに済むので、買うのであれば断然日本盤がおすすめ。
彼らの音楽性の魅力はなんといっても、存在感際立つ美しいハイトーン・ヴォーカルでしょう。
その魅力を存分に活かした楽曲群がまた、粒ぞろいで聴きごたえもたっぷり。自らの武器の見せ方も、よく心得ている証拠でしょう。洗練されたサウンド・プロダクションも上質。
アッパーなロック・チューンでは、声域の広さを上手く利用して、急流の渓谷のような、美しくもダイナミックなメロディを聴かせてくれますし、メロウなバラード・ナンバーでは、新緑の木陰のベンチでそよ風に打たれているような、清廉なメロディがしみます。
YouTubeの公式チャンネルには、2019年1月のSlashのサポートの際のライブ動画も上げられていますが、まだアルバム・デビュー前とは思えないほど、安定感と再現率の高いパフォーマンスが見事です。
本国では、同郷の大先輩であるDizzy Mizz Lizzyのツアーに帯同したこともあるようなので、舞台慣れしているんでしょうね。
楽曲が素晴らしく、ライブ・パフォーマンスも上手い。
この先の活躍が楽しみでしょうがないバンドのアルバム・デビューです!
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- 発売日: 2019/04/24
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