楽器を弾いてみたくなった、もうひとつの理由

先日、こんな記事を書きました。

aifeel.hateblo.jp

とあるソロ・ギタリスト(→松井祐貴オフィシャルサイト)にすっかり魅了され、彼のように弾いてみたくなってアコースティック・ギターを手に入れた、という話です。

それとはまた別で、実はもうひとつあるんですね。楽器を演奏できるようになりたいと思うようになった出来事が。今回は、その体験について書きます。

多分、もう五年くらい前の話です。ひょっとしたらもっと前かも。

ことの発端は、私が静岡市に行くからと、静岡市に住んでいる友人に、久しぶりに遊びましょうよと声をかけたら、その日はちょうど彼のバンドがライブを演る予定が入っていて、よかったら観においでよ、と逆に誘われたことでした。

彼が出演するライブを観に行くとなると、久しぶりに会えるのは良いとして、あまりゆっくり話す時間は取れなさそうだな、とは思いましたが、最近は以前のように半年に一度のペースで会うことが難しくなっていたので、貴重な機会には違いないと、観に行くことに決めました。

会場は、小さなステージが備え付けられた飲食店でした。数組のバンドで貸し切って、対バン形式でショウは進行していきます。出待ちやリハの合間を縫って、友人とは少し話すことができました。

ショウは順調に進行して、出演バンドの出番が一周したんですが、終演予定までまだ時間が余っていたんですね。このあとどうするんだろう、これで演奏は終わりなのかな、と思っていたら、メンバーをシャッフルして、有名ロック・ナンバーのカバーを披露し始めたんですよ。

もしかしたら、担当パートもシャッフルしていたかもしれないですけど、そのへんの記憶は曖昧です。

本来のバンド・メンバーで対バンしていたときから、みんな楽しそうに演奏しているなぁ、とは感じていたんですが、メンバーのシャッフル後は、それがより顕著に感じられるようになりましたね。

弾けるような笑顔で見つめ合っていたり。実際にミスしたかどうかはわからないですけど、些細なミスは気にしていないかのような豪放磊落さも感じられました。

今この瞬間を謳歌していて、その喜びをみんなで共有できている幸福感が会場を満たしているような、そんな空間でした。立ち会えて幸せでしたね。

こればっかりは、その場にいてその空気に触れないと、わからないことですね。行ってよかったと心から思いました。

音楽には、記録された音を耳で聴く楽しみと、生演奏を体感する楽しみがあると思っていましたが、自分で演奏する楽しみもあるんだと、改めて気付かされましたね。

楽器が演奏できるというのは、素晴らしいこと、素敵なことなんだな、と。

その気付きが、年齢的な遅れを気にしながらも、アコースティック・ギターに手を伸ばした一助になったのは、間違いないですね。

世界観を広げてくれたこの体験には、感謝しかありません。