Damoneの幻の自主制作3rdアルバム『Roll The Dice』を、Amazonでダウンロード購入した話
Damone(→Damone - Frustrated Unnoticed - YouTube)というバンド、ご存知ですかね?
デビューは2003年。
当時は、Anberlin(→Anberlin - Impossible - YouTube)がデビューしたり、The Atarisが突然変異的な名盤『So Long, Astoria』(→The Ataris - In This Diary - YouTube)を発表したり、Cauterizeが傑作『So Far From Real』を引っさげてデビューしたり、Diffuserがごきげんなアルバム『Making The Grade』を発表したりと、メロディック・パンクが最も盛り上がっていた頃ではなかったかな、と記憶しています。
その機運に乗って、彗星のごとくシーンに躍り出てきたのが、このDamoneというバンドです。
紅一点のヴォーカル、Noelleはデビュー当時17歳、バンドに加わったのが16歳で、地道なツアー活動の積み重ねで名前を上げたわけでもないとなれば、よっぽどレーベルに持ち込んだであろうデモ音源の出来が素晴らしかったのだろうなと、容易に想像できますね。
実際、試聴したときのインパクトも相当でしたからね。
CD屋の試聴機でおすすめされていて、どんな感じかなと軽い気持ちで聴いてみたら素晴らしくて、ぶっ飛んだのを覚えています。
長くても3分少々。コンパクトにギュッと凝縮された楽曲に、メンバーが好きな要素をこれでもかと盛り込んだサウンドがとにかく魅力的でしたね。それでいてハチャメチャにならずに上手くまとまっているあたり、このバンドは只者ではないなと感じた一因になっています。
パンクやハード・ロックからの影響を強く感じるヘヴィでラウドなサウンドなんですけど、ポップなメロディで聴きやすくて、この手のバンドにしては珍しくギター・ソロもフィーチャーしてたりして。
Noelleのヴォーカルも、あまり張り切っていないというか、いい感じに力が抜けているというか、主張しすぎないのが聴きやすさにひと役買っています。とびきり上手いというわけでもないけど、下手というわけでもない、絶妙なあんばいでいい味になっていますね。
これはすごいバンドが出てきたぞ、と興奮しました。
その後、バンドは2006年に2nd アルバム『Out Here All Night』を発表。Sum 41やAndrew W.K.のサポートとしても何度か来日するなど、順調に活躍していると思っていたのですが、残念ながら大ブレイクとまではいかずに、そのままシーンから消えていってしまいました。
ライブも行きましたよ。たしか名古屋だったと思います。チケットの半券などは残してないんで、単独だったとばっかり思っていたのですが、もしかしたら兄貴のサポートのときだったのかもしれません。
画像は、たしかにライブに行った唯一の物証である、会場で買ったベースボールTです。
自主制作で3枚目をリリースしていたと知ったのは、つい最近です。
iTunesからランダムでDamoneの曲が流れてきて懐かしくなり、そういえばこのバンドはその後どうなったんだろう、もしかして再結成してたりして、と検索してみたのがきっかけです。
その結果、以下のサイトを発見して、Noelleのバンド解散後の活動や、完全自主制作で3rdアルバムをリリースしていたことを知った、というわけです。
できれば現物のCDアルバムを手に入れたかったんですけど、日本での流通はごくわずかでしょうから、まず無理でしょうね。レア物を探すとしたらまずここからなヤフオクですら0件でしたから。もし出てきたとしても、プレミア価格で凄いことになりそうです。
で、Amazonで検索してみたら、あったんですよ。デジタルアルバムが。
現物主義によるちょっとした葛藤はありましたけど、しばしの逡巡の末、購入ボタンを押しました。
プライム・ミュージックのロゴがあったんで、プライム会員であればただで聴けるみたいですね。私はプライム会員ではないので、デジタル・データを買いました。
いや、分かってますよ、データを買うよりプライム会員になってただで聴いたほうがお得だってことくらいは。それでも私はデータを買いたかったんですよ。自分のお気に入りのプレーヤーで再生したり、クルマで聴く用にデータをコピーして持ち出せるほうが、自分の聴き方には合ってますからね。
だいたい、お急ぎ便とかいらなくないですか? そんなに急いでるなら自分で買いに行ったほうが早いと思うんですけど。まあ、移動する手間に交通費、見つかるかどうかわからない、あるかどうか行ってみないとわからない、価格はどっちのほうが安いのか、っていう問題はありますけど。
おっと、話がそれました。話を戻します。
完全自主制作とのことでしたけど、音質面ではまったくそんなことを感じさせない良質なプロダクションでした。
楽曲は以前よりやや長くなって、パンク色は後退してハード・ロック色が強まったサウンドになっているな、と感じました。2枚目からその傾向はありましたけど、それがより顕著になっているな、と。
順風満帆だとばっかり思われた船出だったのに、その勢いのままにブレイクしきれなかったことに焦ったのか、懸命にあがき、苦しみ、もがいたのが、結果としてサウンド面の変化に現れているんでしょうね。
良くなったなと思うところもあれば、ここは前のほうが好きだったなと思ったところもあります。
こればっかりは仕方ないですね。バンドが今までなかった何かを得ようとして試行錯誤した結果、何かしらの変化が生じたのであれば、以前の魅力は失われるかもしれないですけど、それとはまた別の魅力を得ることになるわけですから。
あとは聴き手の好みの問題ですね。どちらがより好きなのか、どう感じるのか。
私はちょっぴり、切なくなりました。ちょっぴりですよ、ちょっぴり。