ONE OK ROCK待望の新作『Eye Of The Storm』、好きか嫌いかで言えば好きだけど、大好きではない
2019年2月13日に発売された、ONE OK ROCK(→ONE OK ROCK official website)待望の新作『Eye Of The Storm』、もうチェックしました?
私は入荷日にフライング・ゲットしました。地元のCD屋さんで。
もう何周も聴いてるんですけど、微妙ですね、正直なところ。
いや、好きか嫌いかで言えば、好きなんですよ。これは間違いない。素晴らしいクオリティの高品質アルバムです。
でも、それだけなんですよね、逆に言えば。
耳に心地いい音楽なんですけど、角が丸いが故に、突き抜けて強烈に訴えかけてくるものが無いといいますか。
サウンドはもう完全にポップスですね。耳に馴染みやすい、夢見心地のような気分に浸れます。うっかりしていると寝落ちしてしまいそうです。
その反面、興奮や歓喜の爆発はないですね。中にはノリの良い曲もあるのですが、それでもサウンドは控えめなので、ロック・バンドらしさはかなり抑えられています。勇ましさや獰猛さは、皆無です。
このサウンド面での変化が、かなり寂しいですね。
自分は、ONE OK ROCKの歴代アルバムの中では、『Nicheシンドローム』や『残響リファレンス』の頃の、スクリーモやポップ・パンク、ハード・ロックのかっこよさを、邦楽の親しみやすさに絶妙なバランスで落とし込んだサウンドが、大好きなので。
バンド活動では、活動期間が長くなれば長くなるほど、音楽性の紆余曲折はつきものってのは、頭ではわかっているんですけどね。
前述の、私が大好きな二作品にしたって、デビューからの試行錯誤を経てたどり着いた境地ですし。
10年以上も活動を続けているバンドが、メンバーの変化もなしにずっと同じ音楽を愚直に演り続けている、そんなパターンのほうが珍しいですから。まあ、それはそれでマンネリとか文句を言われる原因にもなりかねないので、難しいところなんですが。
わかってはいても、なかなか、素直には受け入れられないですよね。好きなバンドのこととなると、特に。
わからないですかね、この、いいアルバムなのは確かなんだけど、何故か釈然としない、この複雑な胸の内。
例えるなら、独創的で超面白かった深夜番組が、ゴールデン進出を果たした途端、無難でつまらない番組になってしまった、みたいな。カントリー出身の歌手が、売れたとたん普通のポップス・シンガーになってしまった、みたいな。
露出が増えたのは喜ばしいことなのに、素直に喜べないんですよねぇ。
昔、B'zでも、ヘヴィすぎると感じて心が離れてしまった時期がありましたけど、ワンオクはその逆で、軽くなりすぎて心が離れることになるかもしれません。
こうあるべき、こうじゃなきゃだめだ、なんて押し付ける気はなくてですね。
今回の音楽性の大胆な変化は、私の嗜好には合致しない流れだった、ただそれだけの話です。
あとはライブですね。生で聴いたら、このサウンドがどのような変化を遂げるのか。それが一縷の望み。