Harem Scaremで一番面白いアルバムは、『The Early Years』
カナダ出身のメロディアス・ハード・ロック・バンド、Harem Scarem(→Harem Scarem | Official website)。
1991年のデビュー以来、改名期間や一時解散時期もありましたが、多彩なアルバムを発表して、その多くが名盤や好盤ということで、大いに好評を博してきました。
そのため、一番好きなアルバムはどれか、という話題になると、Harem Scaremファン同士の間でも、票が割れて紛糾することになります。
例えば。
『Harem Scarem』最高。いやいや『Mood Swings』こそ至高。『Voice Of Reason』の良さがわからないとは哀れな。一時解散前アルバム『Hope』も捨てがたい。再結成後の『Thirteen』や『United』こそが彼らの真骨頂。
こんな具合です。
一番好きなアルバムはどれかとなると、上記の例のようにけっこう割れると思うんですけど、一番面白いアルバムはどれかとなると、意外と票を集めるのではないかと予想しているアルバムが、一枚あります。
『The Early Years』
ひと言で、アルバム・デビュー前のデモ音源集なのですが、聴いてみると、これが実に面白いんですよ。
このデモからあの要素とこの要素を抜き取ってまったく別の二曲に仕上げたのか、とか。
馴染みのない曲の途中でいきなり聴き慣れたフレーズが耳に飛び込んできてびっくりしたり。
不朽の名曲はさすがデモの段階からしてメロディの魅力がダンチだな、と感心したり。
この曲は実はデビュー前から温めてたのか、とか。
このクオリティの曲を採用せずにお蔵入りにしたのはもったいなかったのではないか、とか。
他の人に提供せずに自分たちの曲にするのもアリだったのではないか、とか。
まあ、純粋な驚きもあれば、余計なお世話もあります。
普通デモ音源というと、チープでラフな音像や、作り込みの甘いメロディ展開が気になって、素直に楽しめない音源が多いですが、このデモ音源集は例外です。まあ、中にはもちろん、これではお蔵入りもやむなしか、と納得してしまう曲もあるのですが。
それを差し引いても、彼らのことが好きであれば好きであるほど、興味深い要素が詰め込まれた未発表音源集ではないでしょうか。
ブート流出の際には、熱心なファンの間で高値で取引されていたらしいというのも、頷ける話です。
Harem Scarem * OFFICIAL * With a Little Love