Queenの映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきた
予告編を見てからというもの、公開日が楽しみで楽しみでしょうがなかった映画、『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきました。
ボヘミアン・ラプソディとは、イギリスのロック・バンド、Queen(→Queen Official − YouTube)が1975年に発表したシングル曲で、バンドの代名詞的な名曲のひとつです。
その曲名を冠した映画ということで、Queenというバンドの成り立ちから、楽曲制作にまつわる秘話、そして世界的なバンドへと成り上がっていく様の、波乱万丈を描いています。
映画の内容に触れずに感想を述べるのが難しいので、これから観る予定でネタバレはゴメンだという方は、本文を読まずにブラウザバックしてください。
11月9日金曜日。公開初日、サントラを聴きながら劇場に向かいました。
一曲目のファンファーレを聴いた瞬間に、「あ、これは一番最初は劇場で聴かなきゃいかんかったやつだ」と気が付きましたが、時すでに遅し。諦めて、そのまま愛車を走らせます。やっちまいましたな。
実際の出来事と映画の中で語られるエピソードの時系列には、どうやら相違があるようなので、バンドについての予備知識はないほうが、より映画を楽しめるのかもしれません。
下手に知っていると、そういう細かなところが気になって、没入感が損なわれる一因になりかねないですからね。ドキュメンタリーではなく、あくまでも娯楽映画なので、あんまり細かいことは気にせずに、素直に楽しむのが吉かと。
この映画については、Freddie Mercuryの伝記映画、といった説明が多いですが、それでは当たらずも遠からずでしょう。
というのも、確かに物語の中心はFreddieの立ち居振る舞いなんですけど、彼個人の伝記だとするには、彼が抱えていた自身のルーツへのコンプレックスや、マイノリティな嗜好への迷いに葛藤、不治の病に侵されていると判明してからの困惑と絶望、その克服に至るまでの掘り下げ方が、あっさりしていて物足りません。
エピソードをこれでもかと映像にして、何でもかんでも説明するより、選曲とその曲順に伝えたかったメッセージを込めたのだろう、と私は受け取りました。
バンド・メンバーのキャスト全員が本人に似ているんですけど、その中でも特に白眉なのがBrian Mayですね。ご本人が自分だと思ったと語るほどの、うりふたつっぷり。
細やかな仕草もすごかったですね。身体の隅々にまで神経が行き渡って、まるで魂が乗り移っているかのように見えるほど、全員がQueenを演じ切っていました。
できれば音場感満点のIMAXで観たかったんですけど、座席が指定で好きな席が埋まってしまっていたのと、時間的に厳しかったのもあって、通常の字幕版を観ました。
Queenの名曲、代表曲、名演の数々を、映画館ならではの迫力の大音響で満喫。通常版でも素晴らしい音響でした。
特に、本編最後の"We Are The Champions"。思わず合唱しそうになってしまったほど、まるでライブ会場に居合わせているかのような臨場感。通常版でこれだと、IMAX版はどれほどすごいんだろう?
"Ay−Oh"がめっちゃツボ。
そんな曲あったっけ? なんのこっちゃと不思議に思っていたら、Freddieと観客の掛け合いのことでした。あれは反則。思わず笑っちゃいますよ。会場の警備員役の人も思いっきり笑ってました。
観終わってから改めてサントラ盤を聴くと、Live AidでのFreddieの歌声が、ちょっとだけ苦しそうなのが聞き取れます。あのシーンがなかったら、ずっと気が付かなかったかもしれません。そのくらい、ほんのわずかな乱れ。
素人考えだと、"We Are The Champions"からのエンドロール突入だろうと予想しがちなところを、さらに"Don't Stop Me Now"から"The Show Must Go On"につなげる選曲の妙がニクイですね。
素晴らしい。感慨深くなること間違いなしの、余韻に浸れる終幕です。
公開終了までに、今度はIMAXでもう一度観たいですね。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』予告編
"Bohemian Rhapsody"関連動画
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私が特に好きな江戸川乱歩賞受賞作
昔は活字が嫌いだったので、自分が好き好んで小説を読むなんて、想像したこともありませんでした。文章を書くのも大の苦手で。
読書感想文なんて、本文など読まずに、あらすじ丸写しで済ませてましたからね。
そんな私でも小説を読むようになったんですから、人生、どこで何がどう転ぶのか、わからないものです。
小説を読むようになったきっかけは、ズバリ暇つぶしです。バイトの中休みの数時間の暇を持て余したあまり、小説でも読んでみようかと気まぐれで手にとってみたのが、すべての始まりです。
中でも特にミステリー小説が好きで色々と読むようになって、お気に入りの作家の多くが江戸川乱歩賞(→江戸川乱歩賞)という新人賞を受賞してデビューしているのに気がついて、受賞作が気になってチェックするようになりました。
新人賞は数ありますが、デビュー後の活躍度の高さも、乱歩賞出身作家をチェックする動機のひとつですね。
西村京太郎、森村誠一、東野圭吾、真保裕一、池井戸潤、薬丸岳、桐野夏生、藤原伊織、岡嶋二人(井上夢人)などなど。今後も次々に人気作家の卵を生み出し続け、ますます新人賞の権威としての地位を高めていくでしょう。
毎年毎年、新刊で発売されるたびにすぐ読むほど熱心にチェックしているわけではないですが、文庫化されたタイミングで発見すると、思わず手に取ってしまうくらいには気にかけています。
全受賞作を読破したわけでもないのに語るのは、ちょっとおこがましいような気もしますけども、私が特に好きな江戸川乱歩賞受賞作を挙げていきます。
東野圭吾『放課後』
今をときめく大ベスト・セラー作家、東野圭吾の原点。
硬質な語り口で淡々と物語が進行するが、密室の謎とその捨てトリックからの鮮やかなどんでん返し、更にその後の余韻を想像させる結末が見事で、思わず唸らされる。
近年、やっつけな書き下ろしや安易なシリーズ物ばっかりで、意欲的な趣向を凝らした作風が鳴りを潜めているのが寂しい。
藤原伊織『テロリストのパラソル』
史上初、江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した傑作。
誇り高い主人公とその語り口が、ちょっとキザというかカッコつけすぎているきらいもあるが、物語の世界に思わず引き込まれてしまう、しびれるような魅力がある。
デビュー作にしてエンターテイメント小説の頂点を極めてしまったが、その後も筋の通ったかっこいい主人公を据えた冒険活劇を発表している。
2007年永眠。残念すぎる。
薬丸岳『天使のナイフ』
今、最も脂が乗っている作家のひとりである、薬丸岳の受賞作。
探偵が鮮やかに事件を解決してそれではい終わり、という単純で底の浅いミステリーを書かないので、大好きで絶大な信頼を置いている。
その傾向はこのデビュー作からしてすでに顕著で、重厚なテーマながらも読みやすく、さり気なく緻密な伏線が張り巡らされ、謎が謎を呼ぶ複雑な構造にのめり込ませてからの、驚天動地の決着。スキがない。
ぶっちぎりの受賞も納得の傑作。
高野和明『13階段』
死刑囚が主張する冤罪を証明するべく調査を進めるうちに、抗いようのない濁流に飲み込まれるように動き出す陰謀。
巧みな伏線と物語の構成、一気に読ませる勢いが素晴らしい。特に終盤。緊張感に満ちた、息をつく間もない激しい場面転換からの怒涛の決着、その余韻に浸るほろ苦い締めくくり。
読了後、思わず感嘆のため息が漏れる傑作。
岡嶋二人『焦茶色のパステル』
六年目の挑戦にしてついに乱歩賞を射止めた、合作作家岡嶋二人のデビュー作。
この前年の乱歩賞最終候補作『明日天気にしておくれ』も傑作。
平穏な一日の昼過ぎに不穏な空気が立ち込め始める幕開けから、矢継ぎ早に起こる事件とそれを巡る謎に翻弄される。冷え切った夫婦仲の描写がリアルすぎて、そういうとこだぞと指摘されているようでギクリとする。
今となると、トリックやストーリー進行に時代を感じるが、どんでん返しの切れ味はさすが。
合作コンビ解消後、井上夢人名義で作家活動を始めたが、相変わらずどころかますます冴え渡る面白さなのに、寡作なのがちょっと寂しい。
岡嶋二人作品を読み漁ったら、合作時代を振り返った『おかしな二人』も合わせて読みたい。
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ダカフェレンズを購入して一年以上経って、わかったこと
友人たちに触発されて、デジタル一眼カメラで写真を撮るようになって、六年が経ちました。
それ以来、使うレンズといえばいわゆる便利ズームばっかりで、せっかくレンズ交換式のカメラを買ったというのに、その恩恵に与っているとは到底いえない状況が続いていました。
いや、便利ズームとはよくいったもので、ホントに便利なんですよ。
弱点は、F値が通しではないのでマニュアル撮影時に不便、デジタル一眼ならではのボケ描写がやや弱い、画角が幅広すぎて構図に迷いが生じがち、ってことくらい。
凝り性で追求する人には物足りない面もあるでしょうけど、一般用途では必要十分の性能がありますからね。手ぶれ補正が付いているレンズも多いですし。
半期に一度のボーナス・シーズンになると、どれか単焦点レンズでも買おうかと思い立っては、その便利ズームのあまりの万能さにどうでもよくなる、ということを数年間繰り返していたんですけど、去年ついに初めての単焦点レンズを買いました。
SIGMA 単焦点レンズ Art 30mm F1.4 DC HSM キヤノン用 APS-C専用 301545
- 出版社/メーカー: シグマ
- メディア: Camera
- この商品を含むブログ (1件) を見る
通称ダカフェレンズ、シグマの30mm F1.4。
購入後、どこに行くにも持ち出すのはほぼこの一本のみで、とことん使い倒すぞという気概で撮りまくってきました。
その結果、いくつかのことがわかったので、ここにまとめておきます。
せっかくのF値1.4だが、実はそんなに使わない
風景やスナップ用途がほとんどのため、F8とかF11とか、F値を絞って撮影することばっかりなので、せっかくのF1.4という強烈な明るさの恩恵に与れていないです。
記念撮影も、背景をボカしたくないので絞っちゃいますし。
開放したらしたで、ピントが合う範囲も狭くなって、難しくなってしまいますしね。
憧れだけで飛びついちゃいましたけど、こんな明るいレンズは自分には必要なかったのかもしれない。
手持ち撮影しかしないので、手ぶれ補正がないとスロー・シャッターが欲しい場面で厳しい
スロー・シャッターで撮りたいなら三脚を使えよって話ですけど、そもそも三脚禁止の場所も多いですし、重いし何より邪魔ですからね。手持ち撮影で頑張ってます。
ま、こんなスタンスなので、滝や川の水の流れを撮りたいときに、ちょっと困ってますね。
本体に手ぶれ補正が付いているカメラを買うべきだったのかもしれない。
ズームできなくても、それほど不便は感じない
35mm換算48mm。この画角が自分の感覚にピッタリだったのか、ズームができないことに不便は感じませんでした。たまに、入り切らなくてちょっと引きたいときがあったり、遠くの被写体をズームで撮りたい場面で困るくらいですね。
純正標準ズームレンズの性能は意外とあなどれない
何かと軽視されがちな純正標準ズームレンズですけど、コンパクトで軽くて、常用域の明るさと必要十分の描写力は備えつつ、幅広い画角をカバーして、更に手ぶれ補正を搭載しオート・フォーカス音も軽減するなど、使いやすさにとことん振ったその性能は総合力高いです。馬鹿にできないですよ。
EOS 8000Dを使用するようになって二年強、その性能とコスパには概ね満足しているのですが、数少ない不満のひとつが、ボディ内手ぶれ補正が搭載されていないということですね。
まだまだ使い続ける所存ですが、もし今度カメラを買い替えるとしたら、ボディ内手ぶれ補正が搭載されていることを最重要項目として、検討することになると思います。
あとはバッテリーの持ちの良さも大事ですね。前機種では、バッテリーの持ちの悪さが不満で、買い替えを考え出すようになったので。
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中山道の宿場町、奈良井宿をカメラ片手に散歩してきた
中山道は江戸時代の五街道のひとつで、京都と東京を、長野県を通り抜けるようにして結んでいます。
現在でいうと、国道19号などですね。
長野県の山と山の谷間を縫うように、信濃川と国道19号線が並走しているんですけど、その国道19号に面するようにして、昔ながらの宿場町の面影を色濃く残す町並み、奈良井宿(→奈良井宿観光協会)があります。
千畳敷カールを散策した後、駒ヶ根でそのまま一泊して、翌日に奈良井宿に向かいました。
クルマでおよそ一時間のドライブ。
山を越えますが、険しい峠道ではないので、山道が苦手な人にも走りやすいでしょう。桜で高名な高遠城址からも近いので、春には高遠でお花見ついでに、奈良井宿散策なんていいんじゃないでしょうか。
朝方には雨が降っていて、駐車場に着いたころも曇り空が残っていたんですけど、歩き始めたら次第に晴れ間が覗いてきました。暑すぎず寒すぎずの過ごしやすいさわやかな一日で、絶好の散歩日和。
カメラは、今回もCanonのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズはシグマの単焦点30mm F1.4。いつものこの組み合わせ。
駐車場が端っこにあるので、隅から隅まで歩いて戻ってくると、なかなかの距離です。普段から散歩している人であれば、なんてことないでしょうけども。
ノスタルジックな町並みが素敵で絵になるので、写真を撮りながらゆっくり歩いていると、ふと気がつくとけっこうな時間が経っていてビビります。
木曽漆器の産地の直ぐ側だからなのか、漆器店がめちゃくちゃたくさんありました。どこで何が目に止まるかわからないので、ひとつひとつ足を踏み入れて見て回ったんですけど、それも時間がかかった理由のひとつです。
喫茶店や食事処もたくさんあったので、食事におやつ補給、小休止で困ることはまずないでしょう。
困るとすれば、おしゃれでいい雰囲気の和モダンな古民家改装店舗が多いので、どこに入ろうか目移りして悩んでしまう、それくらいじゃないでしょうか。喫茶店巡りが趣味であれば、巡りきれなくて嬉しい悲鳴でしょう。
観光客は多かったですけど、町並みが横長で人が程よく分散するためか、のどかで歩きやすかったです。
特別なイベントやお祭りの開催には気をつけたいところですね。ここまで来て、情緒もへったくれもないほどの人混みに揉まれるのは避けたい。
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千畳敷カールで、iPhone 6のカメラ性能の凄さを再確認
最強のお散歩カメラは、なんだかんだiPhoneかもしれない。
冗談抜きでそう思えてしまうほど、写りが抜群。まあ、暗所や望遠が苦手という弱点もあるわけですが、それさえ気をつければ、こんなに使い勝手のいいカメラもそうそうないのではないかと確信しています。
千畳敷カールでも何枚かiPhoneで写真を撮ってみて、ますますその思いを強くしたところです。
最新のiPhone XS(→iPhone XS - Apple)はもっとカメラの性能が進化しているとするならば、どんな領域まで上り詰めていってしまったというのか、非常に気になるところであります。
GoogleのPixel 3(→Google Pixel 3)も凄そうで興味はありますけど、MacbookにiTunesで音楽データを管理している以上、Androidに移行するメリットがなかなか見いだせないですね。今までにインストールしてきたアプリも、イチから入れ直しになってしまう手間や、再購入費も発生してしまいますしね。
今使っているiPhoneはもう四年になるので、バッテリーの持ちが悪くなってきたことや時々怪しい挙動を見せることから、そろそろ機種変を考え出しているんですけど、新型はむちゃくちゃ高いので、正直なところなかなか踏み切れないですよねぇ。
欲しいんですけども。やっぱり高いですよねぇ。特にゴールド。惚れ惚れするほどめっちゃかっこいいですね。高いですけど、毎日使ったり触ったりするものだから、つぎ込む価値はありますよね。でも、ホーム・ボタンがないのは不便そう。案外すぐ慣れそうな気もしますけど。
この記事に載せた写真はすべて、私のiPhone 6で撮ったものです。
描写や色合い、気軽にさっと簡単にキレイに撮れる、それが本当に素晴らしいなと感心しています。コンデジが売れなくなり、デジタル一眼も苦境に立たされるわけですよ。